中古資産の耐用年数
中古資産の耐用年数は新規資産とは異なり、計算には様々な要素を考する必要があります。
中古資産の耐用年数を求めるためには、中古資産の資本的支出の額(その資産を事業の用に供するために支出した金額)、取得価額(取得した時の価額)、再取得価額(中古資産と同じ新品のものを取得する場合のその取得価額)が重要となります。
中古資産の耐用年数の計算方法
中古資産の耐用年数の算出の場合分けをするにあたり、どのような中古資産かが重要となります。以前から所有していた事業用でない資産を事業の用に供した場合と、中古資産を購入した場合が考えられます。
場合1-1.事業用としていなかった中古資産を事業の用に供する場合、そのために資本的支出がなければ、取得した日から事業の用に供するまでの期間を基準にし、下記の算出方法の(1)を使用します。
場合1-2.事業用としていなかった中古資産を事業の用に供する場合、そのために資本的支出があれば(リフォーム等をした場合)、その支出した金額が取得価額の50%に相当する金額を超えるか否かで算出方法が変わります。
場合1-2-1.取得価額の50%を超えない時は、取得した日から事業の用に供するまでの期間を基準にし、下記の算出方法の(1)を使用します。
場合1-2-2.取得価額の50%を超える時は、再取得価額の50%を超えるか否かで算出方法が異なります。
場合1-2-2-1.再取得価額の50%を超えない時は、下記の算出方法の(2)を使用します。
場合1-2-2-2.再取得価額の50%を超える時は、法定耐用年数を適用します。
場合2-1.中古資産を取得しそのまま事業用とした場合と、事業の用に供するために支出した金額がその中古資産の再取得価額の50%に相当する金額以下の場合は、その事業の用に供した時以後の使用可能期間として見積もられる年数によることができます。見積もりが困難である場合は、以前の所有者の所有期間を基準とし、下記の算出方法の(1)を使用することができます。但し、資本的支出の金額が取得価額の50%に相当する金額を超える場合は下記の算出方法の(2)を使用します。
場合2-2.中古資産を取得し事業の用に供するために支出した金額がその中古資産の再取得価額の50%に相当する金額を超える場合は、法定耐用年数となります。
中古資産の耐用年数の算出方法は、以下のとおりとなります。どの算出方法を利用するかは、上記の場合分けによって判定されます。
(1)-i 基準とした期間が法定耐用年数の全部を経過した場合は、法定耐用年数の20%に相当する年数となります。
-ii 基準とした期間が法定耐用年数の一部を経過した場合は、法定耐用年数から経過した年数を差し引いた年数に経過年数の20%に相当する年数を加えた年数となります。
-iii これらの計算により算出した年数に1年未満の端数があるときは切り捨て、その年数が2年に満たない場合は2年となります。
(2)中古資産の取得価額(資本的支出の価額を含む)=A、中古資産の取得価額(資本的支出の額を含まない)=B、事業の用に供するまでの期間を基準として(1)で計算した場合の耐用年数=C、中古資産の資本的支出の額=D、中古資産の法定耐用年数=Eとすると
A ÷ ( B ÷ C + D ÷ E )
以上の計算式で算出できます。1年未満の端数がある場合は切り捨てた年数となります。
中古資産の耐用年数についてさらに詳しく知りたい場合は、国税庁のHPでご確認ください。
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