外国為替証拠金取引(FX)の確定申告

外国為替証拠金取引(FX)には二種類の取引方法があります。一つは店頭取引そしてもう一つが取引所取引(クリック365)です。それぞれの取引には今まで異なる課税関係がありました。

今までFX店頭取引の場合

−FX店頭取引により20万円を超える利益が生じた場合(例外あり)、雑所得として総合課税の対象となり課税総所得金額に応じた税率最高50%(超過累進税率)が課されました。

−FX店頭取引により損失が生じた場合、雑所得の範囲内での損益通算は可能でしたが、他の所得金額との損益通算はできませんでした。また、本年度分のみ雑所得の範囲内での損益通算が可能でしたが、赤字の繰越はできませんでした。

FX取引所取引(クリック365)及びこれからのFX店頭取引の場合(平成24年1月1日以降)

−FX取引により20万円を超える利益が生じた場合(例外あり)、他の所得と区別し、「先物取引に係る雑所得等」として、所得税15%及び地方税5%のトータル20%の税率で一律でかかります(申告分離課税)。

−FX取引により損失が生じた場合、他の「先物取引に係る雑所得等」の金額との損益通算は可能ですが、それ以外の所得の金額との損益通算はできません。また、他の「先物取引に係る雑所得等」の損益通算をしてもなお引ききれない損失額は、一定の要件の下に、翌年以後3年内の各年分の「先物取引に係る雑所得等」の金額から控除することができます。

−なお、FX取引による20万円以下の利益(必要経費を差引いた)の場合、確定申告する義務はありません。しかしながら、確定申告する場合は20万円以下の利益も記載する必要があり課税されてしまいます。

FXで確定申告が必要な人は下記のような条件です
◆年間の給与収入が2,000万円を超える人
◆給与を1つの会社からもらっており、給与所得や退職所得以外の各種の所得金額の合計額が20万円を超える人
◆給与を二つ以上の会社からもらっていて、年末調整をされなかった給与の収入金額と、給与所得や退職以外の各種の所得金額の合計額が20万円を超える人
◆同族会社の役員やその親族などで、その同族会社から給与の他に、貸付金の利子や店舗などの賃貸料などの支払いを受けた人
◆災害減免法により、源泉徴収税額の徴収猶予や還付を受けた人
◆外国の在日公館に勤務する人で、給与の支払いを受ける際に所得税を源泉徴収されないこととなっている人

事例1.今年、医療費を10万円以上多く支払ったのでその分で給与から差し引かれた源泉所得税の還付を狙い確定申告しようと思っているがFX取引による利益が必要経費を差し引いても10万円ある場合;

−本来、FX取引の雑所得が20万円以下の場合は確定申告する必要がないためその税額は払わなくてすみます。しかし、確定申告をするのであればその所得を記載する必要が出るために少なくとも所得10万円で税率20%の2万円支払う必要が出るため源泉所得税の還付と照らし合わせ逆にマイナスになる場合もあります。したがって雑所得が少しでもある場合は、確定申告をするかどうか少し考える必要があるかと思います。

*外国為替証拠金取引(FX)の課税についてより詳しく知りたい場合は、国税局のHPでご確認ください。

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